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2015年2月15日日曜日

アンドロイドと人の心 ~アンドロイドが社会に溶け込むとき~

 先日、初めて科学未来館へ行きました。



 ドームシアター(プラネタリウム)が目的だったので、その他の展示は全くリサーチ無しで行きました。全体を通じて子供向けな雰囲気ですが、大人もそれなりに楽しめます。
 到着して常設展示を見に行くと、ちょうどASIMOのデモンストレーションが始まるところでした。


 不安定そうな二本足の物体がスムーズに歩く様子を子供も大人も面白がっていました。
 長らくASIMO開発は継続されていますが、デモ中の説明も含め、2足歩行の動作制御に偏りすぎている気がします。個人的には、もっとAIを駆使して、自分で外界の現象を認識し、抽象的な指示に対しても、自分で解釈して行動できるという方向に進まないかなと期待しています。クラウドも取り入れられそう。

 大阪大学の石黒教授のアンドロイドも『オトナロイド』として展示されていました。
 他のお客さんは口々に「気持ち悪い」と言っていました。石黒教授によれば、アンドロイドの容姿がヒトに近づくほど、人々は気持ち悪さを覚えるという。
 ヒトに似せた物体である「人形」に不気味さを覚えるのも同じようなことで、「ヒトであってヒトでないもの」に心的な抵抗が生じるのだと思う。
 しかし、アンドロイドがさらに人に近づいていけば、その気持ち悪さが消える瞬間があるはずであり、その瞬間が、ヒトとアンドロイドの境界を考える上で重要なポイントとなる。 





 
 もう一つ考えさせられるのは、このアンドロイドが「インターフェース」の役割を果たしているということです。
 実演の時間では、科学未来館のスタッフが、このアンドロイドを操作し、声を発して、「客いじり」をしたり、アンドロイドの説明をする。この時、このアンドロイドは人と人との間を繋ぐツールとなっているのです。こういう形のスマホだと思ってもいいと思う。スマホと異なるのは、「ヒトの形」をしていることであり、このアンドロイドと相対した時、本物の人と対峙している時と同様の心的現象を相手に引き起こすことができる点にあります。アンドロイドであっても、じっと見つめられると気恥ずかしく感じるものだし、笑顔を向けられるとこちらもつられてしまう。
  このインターフェースは、「ヒトの形」というツールを利用して、相手に何らかの心的現象を引き起こすことができるということです。
 だから、そんなアンドロイドを使って気安く「客いじり」をするのはやめてもらいたい(笑)

 そんなアンドロイドの特性を最大限活用したのが、『テレノイド』です。



 

 「ヒトらしきもの」をツールとしているロボットの他の例としては、ソフトバンクの『Pepper』があります。こちらは、ヒトの姿に似せるのではなく、AIにより「ヒトらしい会話」をすることで相手に「ヒト」を感じさせるものです。 



 ASIMOは動作をヒトに似せようとしているが、それよりも姿や会話によってヒトらしさを感じさせるロボットの方が直接的かつ深く人の心に訴えかけるものがあるので、早く社会に溶け込んでいきそうです。

 個人的には、精巧なセクサロイドができれば、人々の抱える悩みや、多くの社会問題が解決に近づく気がします。この話は長くなりそうなので、またいつか。



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