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2015年11月7日土曜日

『猫付きマンション』 ~猫との暮らしに変化~



 本来、猫を飼う場合、特定の猫を里親会やペットショップから譲渡され、その後はえさやり、トイレの世話など日常のケアをしながら、一生面倒をみるのが常識だった。
 しかし、私たちの猫との暮らし方に変化をもたらす可能性のあるサービスが生まれてる。それは、『猫付マンション』と呼ばれるものだ。
 これは、NPO法人『東京キャットガーディアン』が賃貸マンションのオーナーと提携し、『猫付きマンション』として入居者を募るという企画で、システムは以下の通り。


■猫付マンションとは
  • 賃貸契約と、同時に『猫の生体貸与契約書』を交わす。
  • 契約者に里親の適性があるか『東京キャットガーディアン』の担当者が面接審査を行う。(ちなみに、合格率は現在60%程度という)
  • その審査を合格した後に、シェルターで数多くの猫たちの中から一匹選ぶ。これで、晴れて猫との暮らしをスタートできる。
  • 引っ越す場合は、猫を返却することになる。但し、愛着が湧いてしまった場合は、“貸与契約”から“譲渡契約”に切り替えることも可能。

 『猫付マンション』というネーミングから、物件に自動的に猫が付いてくると誤解しがちだが、“猫をレンタルできる物件”というわけだ。
  なぜこのようなことができるのか。猫の保護団体や活動家は、これまで自分で借りたの施設や自宅で猫を保護し、里親を探していた。しかし、現状は慢性的な キャパシティ不足で、結果的に保護しきれずに殺処分になってしまう猫が多く存在する(下図)。(※保護団体が直接殺処分しているという意味ではない)


それに対して、猫付マンションの概念は下図のように、猫を保護する場を一般の賃貸マンションにまで広げ、キャパシティを増加させることができるのだ。



■猫との暮らしに立ちはだかる障害

 ペットを飼うということは、生命を背負うことであり、重い責任を負うことになる。しかし、人の人生である以上、突然の転勤、失業、入院、あるいは死亡などの事情によって、その責任が背負い きれなくなることもある。
それでも世間には、「一度引き取ったのなら、人生を擲ってでも最期まで面倒を見るべきだ」という非情なまでに厳しい意見が多くを占めているように思われる。 そうした声にさらされた時、追いつめられた一部の飼い主は、猫を捨てたり、殺処分したりするという決断をしてしまう。これは、猫にとっても、飼い主にとっても悲劇であり、一方的に飼い主を責め立てたところで何の解決にもならない。

 殊にペットのこととなると「情動」や「モラル」といった曖昧なものをより所としてしまう傾向があるが、この社会的な問題の解決に必要なのは「システム」だ。少なくともこの「猫付マンション」というシステムを活用していれば、上述のような悲劇は未然に防がれるだろう。

 また、“猫を飼ってみたい”と思っているけれども、その重い責任と猫を飼うことのハードルの高さゆえに、リスクを回避してきた人が少なからず存在するのは間違いないだろう。そんな潜在ニーズにも応えることができるのだ。
ているけれども、その重い責任と猫を飼うことのハードルの高さゆえに、リスクを回避してきた人が少なからず存在するのは間違いないだろう。そんな潜在ニーズにも応えることができるのだ。


“ライトオーナー化”が猫との暮らしに変化をもたらす?

  このサービスが成功するかどうかはまだ分からない。多くの改善を積み重ねることになるだろう。ただ、猫の所有に関する新しいモデルを社会に提示しているという、意義深さには疑う余地はない。ペットを飼うことの重い責任やリスクを多くの人や団体でシェアすることで、より安心して動物と暮らせるようになるとい う社会インフラを発明したのだ。これはペットの“ライトオーナー化”とでも言えるだろう。
 
 今後、『猫付マンション』に留まらず、猫と人との共生は“ライトオーナー化”へ向かい、様々なビジネスが台頭するのではないだろうか。そしていくつもの新たな問題に直面しながらも解決の道を模索し続け、それらのサービスの質が競争の中で向上していけば、猫と人との共生の在り様もより良いものへ変化していくだろう。
 そんな未来を想い、期待を抱く今日この頃。


2015年2月22日日曜日

トキソプラズマ ~ネコを追うネズミ・ネコが好きなヒト~



今日は猫の日。
ところで突然ですが、猫と関わりの深い寄生性の単細胞生物があります。それが『トキソプラズマ』です。

1.トキソプラズマとは
 世界中で見られる感染症で、世界人口の3分の1が感染していると推測されている。有病率には地域で大きな差がある。ガーナでは92%もありますが、日本では20~30%と推定されています。
 健康な成人の場合には、感染しても無徴候に留まるか、せいぜい数週間のあいだ軽い風邪のような症状が出る程度でありますが、重症化した場合には、脳炎や神経系疾患をおこしたり、肺・心臓・肝臓・眼球などに悪影響を及ぼします。予防するためのワクチンは現在ありません。

2.猫とトキソプラズマの関係
  寄生生物の中には、複数の動物の体内を往来しているものが少なくありません。トキソプラズマも複数の動物を経由しますが、その最終目的地が正に「猫」なのです。 トキソプラズマは、猫の体内に入ることで初めて有性生殖を行うことが出来ます。これにより、「オーシスト」と呼ばれる卵のような耐久性の強い形態となり、糞便として外界に排出されます。その糞便をネズミ等が摂食したり、土壌の中に溶け込んで植物や水を汚染することで他の生物の体内に入ります。
 
3.「じゃあ、猫は危険?」「いいえ、まず感染しません!」
  まず、猫と触れるだけで感染するわけではないことは明確です。感染猫がオーシストを排出するのは初感染の際の数週間に限られており、オーシストを排出しているのは猫の1~2%程度に過ぎません。また猫の糞便中のオーシストも成熟するのに数日を要することから、通常の飼い猫であれば飼い主が1~2日毎にトイ レ掃除をしている為、まず感染することはありません。
 飼い猫の場合は、トイレ掃除を怠って糞を長時間放置した時に感染のリスクが発生します。
また、公園の砂場等に放置されている野良猫の糞には注意が必要でしょう。

4.宿主の行動の変化
トキソプラズマが宿主にどのような影響を与えるかは、研究がまだあまり進んでいないようですが、いくつかの研究報告があります。


(1)トキソプラズマに感染したマウスはネコを恐れなくなる。また、猫の尿の匂いに引き寄せられるようになる。
 これはネコを終宿主とするトキソプラズマの巧妙な戦略です。あの『トムとジェリー』もトキソプラズマによって引き起こされたストーリーだろう、と私は思っています…。
 

(2)トキソプラズマの慢性感染によりヒトの行動や人格にも変化が出るとする研究例はかなりあります。
統合失調症や双極性障害にかかりやすくなる
・男性は、リスクを恐れなくなる・集中力散漫・規則破り・危険行為・独断的・反社会的・猜疑的・嫉妬深い・女性にもてない
・女性は、社交的・ふしだら・男性にもてる

 

男性酷いな(笑)。オタク系の男子に猫好きが多いのは、トキソプラズマで説明できるかもしれません。

(3)トキソプラズマが宿主の行動を操作する手段としては、脳内麻薬である「ドーパミン」が使用されているとみられている。宿主が、トキソプラズマにとって都合のよい行動をしたときに、報酬としてドーパミンが与えられる。
 

 寄生生物は、自然界には当たり前のように存在しており、自分より大きな生物の行動をいとも容易くコントロールしています。それは、人間も例外ではないと考えた方が自然です。
 私が猫の柔らかいおなかに顔を埋めるのも、トキソプラズマが引き起こしている行動なのかもしれません。