2015年3月22日日曜日

愛猫が与える脳への影響 ~オキシトシンの効果~



 猫好きの人であれば誰しも体験したことがあるであろう、猫との触れ合いで安心感や幸福感を覚えるあの感覚。
 この時、人間の脳の中で何が起こっているのだろうか。それは「オキシトシン」という脳内物質で説明できそうだ。

1.オキシトシンとは
 オキシトシンとは、脳の下垂体から分泌されるホルモンの一種である。 オキシトシンは、出産時の子宮筋収縮や授乳時の乳汁分泌を促進するホルモンとして知られている。


2.オキシトシンはどんなときに分泌される?
 親と子供が触れ合うことで、親子双方にオキシトシンが分泌される。また 親友や恋人との触れ合いでもオキシトシンは分泌される。
 オキシトシンは飼育しているペットと触れ合うことでも分泌されることが分かっている。人がペットを優しくなでたり、触れたりすることで人と動物双方にオキシトシンが分泌される。
 オキシトシンが分泌されると幸福感が生まれるので、人はまた同じようにペットに優しくでき、
   「接触」⇒「幸福感」⇒「もっと接触したい」
 という好循環が生まれる。

3.オキシトシンの効能
 主なオキシトシンの効果は下記の4点である。
  ①人と人とを結びつける効果
  ②信頼感を高める効果
  ③愛情を深める効果
  ④安心感を生む効果

 さらに、オキシトシンで自閉症が改善するという研究報告もあり、オキシトシンそのものが最近注目を集めている。また、オキシトシンは、健常者の子供の学習能力を高めるとも言われている。
 オキシトシンの増大は、不安を軽減させ、人との接触が怖くなくなり、社交性が増すようになる。このことからオキシトシンは、うつ病や人見知りの治療薬としても期待されている。

4.猫との触れ合いでオキシトシンを分泌するコツ
 猫好きであれば、猫と見つめ合うだけでもオキシトシンが分泌されるだろう。
 より多くのオキシトシンを分泌するには、対象の猫を「愛おしい・可愛い・好き」と強く思うことが重要だ。
その猫の「円い目が好き」、「肉球が好き」、「柔らかい毛が好き」、「仕草が好き」といったように、具体的なイメージを持つことも、より深い愛情を湧き立たせるのに効果的だろう。
 また、猫と触れ合っているときに、自分の脳内が「オキシトシン=幸福をもたらす液体」で満たされていくようなイメージをもつのもよいかもしれない。

 ちなみに、私は寝ている愛猫のおなかに顔をうずめるという方法を採用している。柔らかい毛と筋肉を感じながらオキシトシンにまみれるのだ。


2015年3月18日水曜日

意外と知られていない「"マズローの欲求階層説"の6階層目」

 メディアに出てくる学者や、評論家がよ援用する心理学の理論に「マズローの欲求階層説」がある。
 これはアメリカの心理学者・アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。

■マズローの欲求階層

 欲求の各階層の説明は以下の通り。

1階層.生理的欲求(Physiological needs)
 生命維持のための食事・睡眠・排泄等の本能的・根源的な欲求。
 極端なまでに生活のあらゆるものを失った人間は、生理的欲求が他のどの欲求よりも最も主要な動機付けとなる。一般的な動物がこのレベルを超えることはほとんどない。しかし、人間にとってこの欲求しか見られないほどの状況は一般的ではないため、通常の健康な人間は即座に次のレベルである安全の欲求が出現する。

2階層.安全の欲求(Safety needs)
 安全性・経済的安定性・良い健康状態の維持・良い暮らしの水準、事故防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。病気や不慮の事故などに対するセーフティ・ネットなども、これを満たす要因に含まれる。
 この欲求が単純な形ではっきり見られるのは、脅威や危険に対する反応をまったく抑制しない幼児である。
 一般的に健康な大人はこの反応を抑制することを教えられている上に、文化的で幸運な者はこの欲求に関して満足を得ている場合が多いので、真の意味で一般的な大人がこの安全欲求を実際の動機付けとして行動するということはあまりない。

3階層.社会欲求と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
 生理的欲求と安全欲求が十分に満たされると、この欲求が現れる。
 自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚、情緒的な人間関係・他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚、かつて飢餓状態に置かれていた時には欲することのなかった愛を求め、今や孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひどく感じるようになる。
 不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものである。

4階層.承認(尊重)の欲求(Esteem)
 自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには二つある。
 低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしている。
 高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得 ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。
 この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。

5階層.自己実現の欲求(Self-actualization)
 以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなってくる。
 自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるようになる。
 これら5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られる。

 1.現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
 2.自己、他者、自然に対する受容
 3.自発性、単純さ、自然さ
 4.課題中心的
 5.プライバシーの欲求からの超越
 6.文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
 7.認識が絶えず新鮮である
 8.至高なものに触れる神秘的体験がある
 9.共同社会感情
 10.対人関係において心が広くて深い
 11.民主主義的な性格構造
 12.手段と目的、善悪の判断の区別
 13.哲学的で悪意のないユーモアセンス
 14.創造性
 15.文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

 これらのうち、最初の4欲求を欠乏欲求(Deficiency-needs)、最後の1つを存在欲求(Being-needs)としてまとめることもある。マズローは、欠乏欲求と存在欲求とを質的に異なるものと考えた。自己実現を果たした人は少なく、さらに自己超越に達する人は極めて少ない。数多くの人が階 段を踏み外し、これまでその人にとって当然と思っていた事が当たり前でなくなるような状況に陥ってしまうとも述べている。 
 また、欠乏欲求を十分に満たした経験のある者は、欠乏欲求に対してある程度耐性を持つようになる。そして、成長欲求実現のため、欠乏欲求が満たされずとも 活動できるようになるという(ex.一部の宗教者や哲学者、慈善活動家など)。
 晩年には、「自己実現の欲求」のさらに高次に「自己超越の欲求」があるとした。この考えが、後のトランスパーソナル心理学の源流ともなる。



■意外と知られていない6階層目

 そして、意外と知られていないが、マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表した。それが、「自己超越」(self-transcendence)の段階である。 自己超越者(transcenders)の特徴は
  • 「在ること」(Being)の世界について、よく知っている
  • 「在ること」(Being)のレベルにおいて生きている
  • 統合された意識を持つ
  • 落ち着いていて、瞑想的な認知をする
  • 深い洞察を得た経験が、今までにある
  • 他者の不幸に罪悪感を抱く
  • 創造的である
  • 謙虚である
  • 聡明である
  • 多視点的な思考ができる
  • 外見は普通である(very normal on the outside)
 マズローによると、このレベルに達している人は人口の2%ほどであり、子供でこの段階に達することは不可能である。 マズローは、自身が超越者だと考えた12人について調査し、この研究を深めた。


2015年3月9日月曜日

川崎中1殺害事件に見る日本の暗部 ~「カワサキ国」と名乗る"在日軍団"~


 川崎中1殺害事件における論点は様々あります。

1.少年法改正

 18歳を子供とみなすのは、現実とずれている。処罰を軽くするのはおかしい、という指摘。
 これについては、国際社会の状況に倣い選挙権が18歳に引き下げられることに伴い、少年法も改正されるでしょう。
 
2.貧困と教育


 まず、事件が起きた地域の環境を知ってもらう為にも、下の地図を見て頂きたいのですが、これは川崎市立富士見中学校付近のGoogleマップで「風俗」と検索した結果です。



 大通りを挟んで、風俗街が広がっています。このような環境も影響してか、この周辺は外国人が多く住んでおり、この付近の公立学校の子供には、ハーフや在日二世が多いと言われています。 また、近くには競馬場があり、パチンコ店も点在しています。この一帯が、性とギャンブルの街であり、貧困を作りやすい環境であることが何となく想像できるかと思います。

 被害者の少年は身の危険にさらされているというシグナルを出していたのに、なぜ周囲は気付けなかったのかという指摘があります。 被害者の家庭は母子家庭であり、子供5人を抱える貧困家庭でした。母親は早朝から夜遅くまで働きに出ており、殆どまともに子供の面倒を見ることができな かったと、自ら語っています。
 また、貧困は加害者側にも影響を与えているのではないかと思います。これは下記3.とも関連するので、後述します。
 貧困家庭は、怠慢によるネグレクトではなく、否が応にもネグレクト状態になってしまいます。この状態では、高確率で子供の心の発達に問題が発生し、学業にも悪影響が出ます。
(被害者の家族が、なぜ生活保護を受けられなかったのか、という別の疑問もある)

 少し前に流行ったピケティ氏が格差の是正として世界共通の資産への課税が必要だと述べているのは有名ですが、同時に貧しい家庭の子供であっても高等教育を受けられる機会を与えるようにすることが重要だとも述べています。
  また、これに関しては、過去の記事「教育の構造的改革 ~問題解決の為のある構想~」で私の考えを書いています。


3.在日外国人と日本社会の不和
 
 2.で記述した貧困とも関係しますが、川崎中1殺害事件において、罪を犯した少年グループにはハーフや在日二世が多くいたことは各種マスコミでは報じられていないません。
  「移民」は必ずしも成功するとは限らないというのは普遍的な事実です。日本にやって来た外国人が日本社会に上手く溶け込めなかったり、まともな職にありつけなかった場合、外国人同士で互いの身を守ろうとコミュニティを作るのが自然な流れであり、ときにそれが日本社会と在日外国人との溝を更に深めてしまうことがあります(親和的なコミュニティも勿論ありますが)。 子供たちも同様に、よく似た境遇の者たちで寄り集まり、不良グループを形成し、街を徘徊します。ネット掲示板がソースなので信憑性に欠けるかもしれませんが、同中学校の元在校生によれば、日本人グループと在日外国人グループで対立が起きることもあったとのことです。

 「移民」が「貧困」になり「暴力」へ向かうという状況は、今欧米諸国で起きている状況を想起させます。欧米においても、貧しい移民や、過去に差別され社会に溶け込めなかった外国人が、ISIL(イスラム国)に参加したり、ISILに触発されてテロを起こしたりしています。
 奇しくも、川崎の事件の犯行グループも自らを「カワサキ国」と名乗っていたそうです。本人たちも、ふざけて名乗っていただけで、大した意図はなかったと思われますが……。
 そもそもISILが厄介なのは、直接の関係者かどうかにかかわらず、社会に「不満」や「不安」を持つ者たちに対して「暴力を行使せよ」「主流社会を破壊せよ」というメッセージを世界中に送っているところにあります。それに対する目に見えるリアクションとしては、ISILに忠誠を誓うテログループが世界中に現れたことが挙げられますが、見えないところでも、小さな不良グループあるいは、一人で悶々と「小さなテロ」を起こそうか起こすまいかと迷っている者たちが無数に存在していると思われます。
 この「小さなテロ」が爆発する土壌が、欧米だけではなく、日本にもあると言えると思います。

■日本における在日外国人に関する報道の歪み
 不思議なことですが、日本のマスコミは在日外国人の犯罪を隠蔽します。成人の在日外国人が犯罪を犯しても、職業や性別のみで名前が報じられなかったり、日本名の通り名で報じられたりします。
 マスコミが在日外国人に牛耳られている等という言説も流布されています。現実的に推測するならば、「差別を助長する」という批判を回避したいマスコミの自己防衛がはたらいているといったところではないでしょうか。
 こうしたマスコミの態度は、移民に関する問題の輪郭をぼかしてしまい、社会課題の解決を阻害しています。マスコミが正しく役割を果たすとしたら、「在日外国人が犯罪を犯した」、「その背景は何か」、「解決策はあるか」といったように事実を正確に、かつ掘り下げて伝えることでしょう。これは全く差別ではありません。
  この事件は、「貧困」と「在日」の概念を抜きにして語ることは出来ません。
  マスコミが今のままならば、在日に対する人々の憎悪が治まることはないでしょう。「感情的な問題」が「理性的な課題」へと変わるには、まだ時間がかかりそうです。



-Ending Music-